専門知識、調査力アップのために

 実務翻訳において、専門分野の知識は必須です。しかし、これはなかなか、自分ひとりの勉強では身につきにくいものです。

 専門知識をつけるには、企業などで実務経験を積むことが一番だと思います。雇用の形態にこだわらず、目指す分野の企業や事務所に入り、知識の習得を目指しましょう。

 わたしの身近な医薬翻訳家でも、まず派遣社員として翻訳以外の業務で医薬品会社で働き、専門知識を身につけ、その後翻訳家にステップアップしたという経歴の持ち主が数人います。わたしの場合は、初めて翻訳家として働いた医薬品会社で、基礎的な専門知識を習得しました。

 猛勉強の胃が痛い日々でしたが、文系出身の翻訳家というのは、案外とわたしのように翻訳の仕事を始めてから身につけたという人も多いようです。

 また、専門知識があっても、知らないことをゼロにするというのは不可能です。

  それを補うのが調査力です。翻訳と調べ物は昔から、不可分です。またインターネットのおかげで、調べ方次第では、専門知識の不足が相当カバーできるようになってきました。

調べものに費やす時間を短くする

  インターネットが普及したからといって、辞書が要らなくなったわけではありません。

 ただし、昔は紙媒体だったのが、今はCD-ROMとなり、パソコンの中で操るものになってきました。何冊もの辞書をパソコンの中に入れ、辞書引き専用のソフトを使用することで、複数の辞書を一気にひくことができます。そうやって調べものに費やす時間を短くするのも、調査力のひとつといえます。

 調査力も、一朝一夕には身につきません。

  翻訳の演習を重ねながら、わからない単語があったら、CD−ROMやインターネット上の辞書を引き、出てきた単語が翻訳に使えるかどうか、検索ソフトを使って確認する、という作業を繰り返し、適切な訳語見極める目を養っていく必要があります。

 検索エンジンや辞書引き専用ソフトを使用して、調査力を向上させるテクニックは、翻訳関連のムックでもよく特集で取り上げられています。また書籍も出ています。下にあげますので、ぜひ参考になさってください。

 『翻訳に役立つGoogle活用テクニック 』安藤進著 丸善株式会社
 『翻訳家のためのパソコン使いこなしパーフェクトガイド 』 柳英夫著 イカロスムック

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