修行期間中A仕事について

会社勤めはやめるべき?

  翻訳や英語とまったく関係のない仕事についている場合、翻訳家になろうと一念発起すると、会社をやめてしまう人も多いようです。

  周りを見ていると、特にそれまでの仕事に不満や違和感を持っている人ほど、すぱっと退職して翻訳の道に旅立とうとするようです。それは、翻訳家を目指すということが、(好きな言葉ではないですが)自分探しでもあるからでしょう。

 でも、もし今現在、会社勤めをしている方で、仕事を辞めようかどうしようかと迷っている方がいたら、辞めるのはちょっと待ってと言いたいです。

  なぜなら、翻訳修行を支えるには、確かな経済基盤が必要だからです。

長期戦を戦い抜ける態勢を整えよう

  わたしは修行期間中をアルバイトで乗り切りました。そのせいで、ただでさえ辛い修行時代が、さらに3倍くらい辛くなったと思っています。

 翻訳が思うようには伸びない苛立ちに加えて、経済的な不安にまで背負っていたからです。さきほどアルバイトをしながら翻訳家を目指していたYさんに、まず経済的基盤を作り直すようアドバイスしたと書きましたが、それは切実にわたしと同じ轍を踏むべきではないと思ったからです。

  それもこれも、修行期間を誤って短く見積もり、短期決戦の態勢で挑んだがための失敗でした。翻訳を見くびっていました。

 翻訳の勉強は、誰にとっても時間のかかるものです。一朝一夕には上達しません。

  会社勤めをしている人は、簡単に手放さないでほしいと思います。正社員なら残業なども多く、両立が難しいこともあるかもしれませんが、最初は、勤めながら勉強できないか、探ってみてほしいと思います。

 両立が難しいとわかってから次の展開を考えても遅くありません。あまり意に添わない仕事であっても、翻訳修行を支えるための収入源だと割り切れば、がんばれる場合もあるでしょう。

 もし、すでに手放してしまい、経済状況の不安が精神的な負担になっているという人は、できたらもういちど経済的基盤を手に入れ、じっくり腰を落ち着けて勉強できる態勢を整え直すことも検討してみてください。

 

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