実務翻訳家のワークスタイル その1

 実務翻訳家は、企業や翻訳会社で社内翻訳家として働く場合と、在宅フリーランスで働く場合があります。自分の好きなスタイルで働けるのは、翻訳の仕事の大きな魅力です。

社内翻訳家

 「在宅」という言葉に対し、指定された場で働く働き方ということで、「オンサイト」と呼ばれることもあります。

 雇用形態は、正社員、派遣社員、契約社員などさまざまです。

  派遣社員の場合、派遣元は翻訳会社のほか、一般の人材派遣会社の場合もあります。時給は、地域や契約形態、分野、仕事内容によって大きく異なりますので、ここではあげません。検索エンジンなどで探してみてください。(参考サイト:派遣社員マニュアル人材派遣会社を賢く利用する方法

 実務翻訳家の雇用形態について、わたしの周辺の話をしてみます。

  わたしは大阪の会社で4年間社内翻訳家をしたあと、在宅になりました。まわりにいる医療翻訳仲間には、社内翻訳家の経験をしている人が多いですが、みな雇用形態としては派遣社員か契約社員です。正社員で働いた経験のある人は、わたしも含めて皆無です。

  翻訳家とは(加えて関西人とは)フリーランス志向の強い人種で、社内で働くことを独立前の修行と捉えている人も多くいます。わたしもそのひとりでした。そのため正社員になることにこだわりがなく、むしろ避けたがる傾向があります。

  一方で、正社員を目指すとなると、関西の医薬翻訳業界ではかなり狭き門になりそうです。派遣社員や契約社員から正社員になったという話も、少なくともわたしの回りでは聞きません。

 仲間のひとりが、一度だけ正社員の話をもらったことがあるそうで、そのときの話を聞かせてくれました。打診を受けたのは、スタッフの半分が英語ネイティブという部署で、ビジネスで通用するレベルの英会話力は必須。

 業務も翻訳だけでなく、ひとつの文書を英語化するための関係部署のコーディネートや、海外支店との打ち合わせまで含まれるとのこと。そんな業務を遂行する能力があるかを問うまでもなく、英会話が苦手な彼女はとても無理だと判断し、面接に行ったものの早々に退散してきたとのことでした。

  社員として働く場合は、翻訳のエキスパートというだけでなく、総合的な英語のエキスパートであることが求められることも多くなりそうです。

 しかし、分野によっても、雇用形態の傾向は違うようです。

  特許翻訳の場合、新聞の求人欄でもよく正社員の翻訳家の募集が出ているのを見かけます。もし正社員で働くことを望むのであれば、分野ごとの雇用形態の傾向も調べて、正社員の雇用の多い分野に進むことを検討するのもひとつかと思います。

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